Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
我々は,基質遷移状態概念に基づいて複合体の動的構造解析より,論理的に高活性のHIVプロテアーゼ阻害剤をデザインした.この方法をさらに発展させて,重要なアスパラギン酸プロテアーゼについて,基質や阻害剤と複合体を形成して相互作用の解析を,X線結晶解析,NMR,分子モデリングなどの手段を用いて行った.すなわち基質,阻害剤分子単独のコンフォメーションと,超分子形成時のコンフォメーションとの詳細な比較解析を行った.超分子形成は,従来鍵と鍵穴のような固定物として捕えらててきたが,コンフォメーション変化という動的観点で解析を進めた. それらの結果をもとに酵素と阻害剤の相互作用に関する分子認識に基づいた阻害剤の構造活性相関研究を行いそれを基に標的分子のデザインを行った. HIVプロテアーゼの基質に基づいた新しい阻害剤のデザインにおいては,L-テトラヒドロフラニルグリシンを含む阻害剤を合成し,S2位で酵素と好都合な相互作用をしていることを示した.また,P1-P1'位にヒドロキシメチルカルボニルヒドラジドを含む偽対称性阻害剤が高いHIVプロテアーゼ阻害活性を有することを示した. さらに,マラリア原虫の増殖に重要な役割をはたすプラスメプシンIIの阻害剤のデザインにおいては,ヒドロキシメチルカルボニルイソステアを含む化合物KNI-727,KNI-764およびKNI-840が,高活性・高選択性のプラスメプシンII阻害活性を有することを示し,マラリア治療薬開発への可能性を示した.
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