一酸化窒素還元酵素の反応中間体の高分解能結晶構造解析
Project/Area Number |
13033043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城 宜嗣 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 主任研究員 (70183051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 伸一 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 先任研究員 (60260220)
李 東善 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 協力研究員 (20321838)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 一酸化窒素還元酵素 / 脱窒 / ヘム酵素 / P450 / 反応中間体 / 低温還元法 / SPring-8 / 窒素還元酵素 / チトクロムP450 / X線還元 / 水和電子 / 高分解能結晶構造解析 |
Research Abstract |
脱窒カビの一酸化窒素還元酵素は、酵素分子一分子あたり一分子のヘム(鉄-ポルフィリン錯体)を含むヘム酵素である。ヘム鉄が反応中心であり、この部位で一酸化窒素(NO)を亜酸化窒素(N_2O)に還元する。我々は、X線結晶構造解析により、本酵素の休止状態(Fe^<3+>)、一酸化窒素結合状態(Fe^<3+>NO)などの構造を明らかにし、一方、各種分子分光法による時分割測定や反応速度解析より短寿命(半減期:数十秒)反応中間体を存在を見い出し、その結果を基に反応の分子機構を提案してきた。この反応中間体の電子構造は、Fe^<3+>NOの二電子還元型(Fe^<3+>NO)^<2->と考えているが、そのような電子状態は従来全く知られておらず、ましてやそのような電子状態を持っヘム酵素の構造は全く報告がない。本研究では、X線によるクライオ還元の方法を用いて、この反応中間体の構造解析を目指した。その第一段階として、窒素気流(クライオ条件)下で結晶の可視光吸収スペクトルを測定する、分光装置を作成した。それを用いて、Fe^<3+>NO型結晶の吸収スペクトルを測定した。その結果、この結晶はX線照射によりFe^<3+>NO型から数分で新しい電子状態へ変換されることを明らかにした。この新しい状態のESRスペクトルは鉄二価NO結合型(Fe^<2+>NO)の特徴を示したが、溶液状態とは異なる構造と推定された。構造解析の結果、Fe-N-Oの角度が数度傾き、NOの近傍の水分子が一分子消失していることが分かった。還元のための照射X線の波長や、母液のpH等を変えてみたが、上記反応中間体に対応するものは得られなかった。また、脱窒カビ一酸化窒素還元酵素と同じファミリーに属するいくつかのチトクロムP450についても同様の実験を行い、Fe^<3+>NO型の結晶のクライオ還元によりFe^<2+>NO型様の電子構造に変換することが確かめられ、ヘム鉄-チオレート錯体を活性中心にもつ酵素の一般的な性質であると結論した。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)