Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
CD19によるB細胞活性化シグナルの制御メカニズムを多角的に解析した。まずCD19が抗原受容体シグナルを制御する機序をPI3キナーゼとの関係を重点に検討し,CD19がPI3キナーゼ・Btkのシグナル伝達経路と独立した系と依存した系の双方をもっていることを明らかにした。また,CD19がCD19/CD21複合体として補体系のシグナル伝達ユニットとして抗原受容体シグナルを増幅する際にCD22抑制経路を遮断することがその主たる分子機序であることを明らかにした。また,CD19は抗原受容体以外のシグナル伝達も制御しているが,CD19がLPSシグナルを調節するRP105受容体架橋によりリン酸化を受け,JNKの活性化を誘導することによりLPSシグナル伝達を制御していることを示した。さらに,CD19の自己免疫疾患病態における役割を強皮症モデルマウス(Tight-skinマウス)において検討した,CD19欠損Tight-skinマウスは自己抗体の産生が抑制されたのみならず皮膚の線維化も著明な改善を示し,こうした病態の形成にも深く関与していることが示唆された。CD19は,Lyn,Vav,PI3キナーゼ,CD22など様々なシグナル伝達系を制御している。BCRシグナルのearly phaseにはCD19はLynの活性化増強に重要な役割を果たしており,一方BCRシグナルのlate phaseではPI3キナーゼの活性化維持に重要な役割をもっていると考えられた。CD19はまた抑制性フィードバック経路であるCD22の活性化にも必須であり,BCRとCD19の共刺激ではこのCD22経路が抑制されることによりシグナルが増幅されると考えられた。
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