ウイルス細胞間移行タンパク質発現植物の同属異種ウイルス特異的な抵抗性機構の解明
Project/Area Number |
13039004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
吉川 信幸 岩手大学, 農学部, 教授 (40191556)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 植物ウイルス / 細胞間移行タンパク質 / トリコウイルス / ウイルス抵抗性 |
Research Abstract |
1)ACLSV-50KP遺伝子に一連(約50アミノ酸ずつ)の欠失変異を導入した欠失型50KP(ΔA〜ΔG)を作出し、蛍光タンパク質遺伝子と融合してNT植物細胞で発現した。その結果、C-末端側に欠出を導入したΔA、ΔBおよびΔCは細胞内および細胞間移行能や管状構造形成能を保持していたが、50KPのN末端から中央領域に欠失を導入したΔD、ΔE、ΔF、ΔGでは細胞間移行能は完全に失われていた。39KP-YFPとこれら欠失型50KP-CFPを共発現させることにより、39KP-YFPの細胞間移行の阻害に関わる領域を解析したところ、ΔA-CFP、ΔB-CFPおよびΔC-CFPとの共発現では、YFPとCFPの蛍光はほとんどの場合に単一細胞でのみ観察され、39KPも欠失型50KPも細胞間移行しなかった。一方、ΔD-CFP、ΔE-CFP、ΔF-CFPおよびΔG-CFPと共発現させた場合には、CFPの蛍光が単一細胞にとどまっているのに対して、39KP-YFP蛍光は次発現細胞から周辺細胞に移行した。 2)50KPによる39KPの細胞間移行阻害がGINVに対する抵抗性の原因であるかどうかを調べるため、39KPの移行を阻害する欠失型50KP[ΔA(アミノ酸番号393-456を欠失)およびΔC(Δ287-346)]と阻害しないΔG(Δ36-125)を発現する形質転換N.occidentalisを作出し、GINV、ACLSVおよびASGVに対する反応を調べた。その結果、50KP、ΔA、ΔC、および50KP-GFPを発現する形質転換植物はGINVを接種しても全く病徴を示さず、また接種葉および上葉ともにウイルスの増殖は認められなかった。これに対し、NT植物、ΔG発現植物、GFP発現植物ではGINV感染の病徴が現れ、ウイルスの増殖も認められた。 3)ΔA'発現植物にGINVを接種したところ、50KP、ΔA、ΔC、および50KP-GFP植物とは異なり、一部の接種個体では、接種葉のみでGINVの増殖が認められた。ティッシュ・プリント・ハイブリダイゼーションによりウイルスの分布を調べたところ、接種葉の葉身、主脈および葉柄からGINVが検出されたが、茎および上葉(葉身、主脈および葉柄)へのウイルスの移行は認められなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)