細胞の不死化に関与するテロメア結合タンパク質TRF1の機能の解析
Project/Area Number |
13043032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
湯通堂 満寿男 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 真人 産業技術総合研究所, ジーンディスカバリー研究センター, 主任研究員 (10172355)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | テロメア / TRF1 / 染色体 / 不死化 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
本年度は、染色体DNAが安定化する機構をテロメア(染色体末端)に焦点をあてて解析した。我々のこれまでの研究で、外部から導入したテロメア配列が新たな染色体末端として認識されるためにはテロメア結合タンパク質TRF1が必須であることがわかっている。この現象は、TRF1の量とテロメア配列の長さの2つの因子に相関があるが、テロメラーゼ活性とは関係がない。またTRF1の量は、有限寿命の細胞に比べて不死化細胞で優位に高い。一方、初代培養線維芽細胞では、分裂に伴いテロメアが短くなると染色体が不安定になって細胞死が誘導されることが知られているがその分子機構は知られていない。我々は、細胞内のTRF1の量が染色体の安定性と細胞寿命を決定しているのではないかという仮説を立て、初代培養ヒト線維芽細胞でTRF1を高発現させて、細胞の分裂寿命を約20回延ばすことに成功した。この実験結果は、テロメア配列(TTAGGG)とTRF1の相互作用で核内DNAの安定性が決定されていることを示している。テロメアはループ状の構造(t-loop)を取っていることが知られており、TRF1は環状DNAに組み込まれたテロメア配列にも結合することから、核内の環状DNAも同様にテロメア配列特異的に安定化できることが期待できるので、現在、その可能性を検討している。今後は、TRF1が果たしている真の機能について、染色体の安定化という観点から解析を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)