アポトーシス細胞死を制御するDNAポリメラーゼζの細胞生存因子としての機能解析
Project/Area Number |
13043048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
梶原 景正 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (00204397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 継揚 千葉県がんセンター, 病理研究部, 研究員 (80231041)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | DNAポリメラーゼζ / 損傷乗り越えDNA合成 / アポトーシス / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / Sez4遺伝子 |
Research Abstract |
多細胞真核生物に特徴的なアポトーシス細胞死におけるDNAポリメラーゼζ(polζ)の役割を、その触媒サブユニットをコードするSez4遺伝子の変異マウスを用いて解析した。 (1)アルキル化剤・抗癌剤などによるDNA損傷に対し、polζの関わるTLS活性をSez4抗体を用いて組織化学的に検討した。Sez4蛋白質は、アルキル化剤投与後6-24時間で核内にスポット状の陽性シグナルとして認められ、PCNAや取り込まれたBrdUの局在と一致していた。 (2)Sez4トランスジェニックマウス(Sez4[tg/tg])由来の線維芽細胞は、野生型およびヘテロ型Sez4ノックアウトの細胞と比較してアルキル化剤によるDNA損傷に対し、生存効率が約2倍に上昇したが、BrdU取り込みを指標としたS期の割合はtg細胞と野生型細胞では変化なかった。 以上のことから、DNA損傷をもったSez4[tg/tg]細胞がM期の進行が可能となり細胞死を回避できたが、G1期チェックポイントにより細胞周期を停止していることが示唆される。またSez4ノックアウトで認められる細胞死はp53非依存性であるが、Sez4[tg/tg]マウスにはp73欠失マウスで認められる低成長・水頭症が認められた。従って、polζのTLS活性とp73活性との相互作用によりDNA損傷をもった細胞の生存が決定され、正常な形態形成が営まれると考えられる。 (3)Sez4 mRNAに相補的な2重鎖RNAを線維芽細胞へ導入し、DNA損傷に対する感受性が上昇したが、現時点ではマウス組織への導入による形態的変化は認められていない。 (4)既に作製したヘテロ型Sez4ノックアウトES細胞に、Cre-loxPシステムを用いたターゲティングベクターを導入し、クローニングしている段階である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)