Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
本年度は,最初にRub1(alias:NEDD8)の作用機構,即ち,Rub1によるSCFリガーゼ(細胞周期やシグナル伝達の制御に関与するユビキチンリガーゼ:Skp1-Cullin1-F-box protein-Roc1複合体)の活性化機構の解明を目指した.本研究ではSCFbTrCPの標的基質として我々が見出してきたIkBa(NF-kBの阻害分子)を使用した。このためIkBaのユビキチン化に必要な酵素系:IkBa,IKKb,ユビキチン,E1(Uba1),E2(Ubc4),E3(SCFbTrCP)とNEDD8システムの酵素系:NEDD8,E1(APP-BP1/Uba3のヘテロダイマー),E2(Ubc12),の全てをリコンビナントタンパク質として作製し、インビトロの再構成システムを構築した.これらを用いて解析した結果,Rub1のCul1修飾が,E2-ユビキチンをSCFへリクルートする機能を著しく増幅すること,即ち安定なE2-E3複合体の形成を促進することを突き止めた(EMBO J.20,4003-4012,2001)。このようにして長い間不明であったSCFの正の調節因子として作用するRub1システムの作用機構が解明された。さらにRub1システムの生理的意義を個体レベルで解析するために、Rub1の活性化酵素であるE1(APP-BP1/Uba3複合体)を構成する触媒サブユニットUba3をコードするマウス遺伝子を欠損させた。作製したノックアウトマウスは早期胎生致死になり、このモディファイヤーシステムが高等動物の個体発生においても必須な役割を果たしていることを明らかにした(J.Cell Biol.155,571-580,2001)。本研究から,最も主要なユビキチンリガーゼと見なされているSCFに巧妙な制御系が備わっていることが明らかとなった。
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