Budget Amount *help |
¥10,500,000 (Direct Cost: ¥10,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Research Abstract |
ナノ複合反応場によるメタン自熱的改質反応特性を調べるため,複合反応場をもつ触媒の創製を検討した。その結果,シリカ被覆層の内側にNiナノ粒子が固定化され,シリカ被覆層の外側にPtが固定化された複合ナノ粒子を創製することに成功した。Ni触媒反応場とPt触媒反応場がナノスケールの距離で隔離されおり,目的の複合反応場触媒と言える。この触媒を用いてメタン自熱的改質反応の研究を行う過程で,シリカ被覆層内側のNi触媒が極めて特異な触媒反応特性を示すことを見出した。そこで,シリカ被覆Ni触媒を用いて,自熱的改質反応よりもシンプルなメタン部分酸化反応特性を調べた。 従来の含浸法Ni触媒では,既往の報告通り800℃より低い温度で全く活性を示さず,水素が全く生成しなかったが,シリカ被覆Ni触媒は700℃でも高い部分酸化能を示した。また,生成ガス中の水素/一酸化炭素モル比=1.98とほぼ量論比通りに反応が進行していた。この触媒を用いて700℃で80時間までの反応試験を行ったが,その間の活性低下は全く認められなかった。さらに,この反応系に炭酸ガスを供給し,メタン自熱的改質反応特性を調べたところ,500℃でも充分な水素生成活性が発現し,メタン部分酸化反応よりも反応温度をさらに低下させることができた。 メタン部分酸化反応後の触媒のTPO測定を行ったところ,含浸法触媒のNiは反応中に完全に酸化されているが,被覆触媒のNiの大部分は金属状態であることがわかった。さらに,反応前処理として空気焼成を行っても,被覆触媒は部分酸化活性をほとんど失わなかった。したがって,Niをシリカで被覆することによって,Niが酸化されにくくなり,そのために低温でも極めて高い活性を示したものと考えられた。
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