Project/Area Number |
13127104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University (2003) Rikkyo University (2001-2002) |
Principal Investigator |
橋本 健朗 (2003) 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40202254)
長村 吉洋 (2001-2002) 立教大学, 理学部, 教授 (50160841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 明弘 岡崎国立共同研究機構, 計算科学研究センター, 助教授 (70252418)
橋本 健朗 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40202254)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥32,400,000 (Direct Cost: ¥32,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥16,300,000 (Direct Cost: ¥16,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥11,300,000 (Direct Cost: ¥11,300,000)
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Keywords | 大気化学 / 大気分子錯体 / 平衡定数 / 地球温暖化 / エアロゾル / 取り込み係数 / 分子シミュレーション / HO2ラジカル / 大気ラジカル種 / ラジカル反応機構 / 水和錯体 / O2-H2O錯体 / 量子化学計算 / 酸化反応機構 / 分子動力学シミュレーション / 気相ラジカル反応機構 / ポテンシャルエネルギー面 / ラジカル-水錯体 / 分子軌道法 / 反応中間体 / 水和効果 |
Research Abstract |
第一に、地球の熱収支への関与が疑われる大気分子錯体を理論的に研究した。酸素-水錯体の構造、ポテンシャル面、非調和振動数、分配関数、平衡定数を精密計算した。従来の量子計算によるエネルギー極小構造とマイクロ波実験で得られた構造の見かけ上の違いを、分子間振動と構成分子の同旋・逆旋回転の3自由度を同時に扱って振動解析を行い、逆旋回転のトンネル効果により説明した。これまでの平衡定数計算法を見直し、錯体の解離を正しく考慮して温度上昇に伴う平衡定数の減少を正確に記述できるようにした。その結果、平衡定数は従来の値より2桁小さいことがわかった。同様な計算法を窒素-水錯体にも応用したところ、この錯体では酸素-水に比べ結合エネルギーが大きく、地球大気温度では調和近似の値と平衡定数は大きくずれないこともわかった。これらの結果を用いて錯体の存在量の高度依存性を予測し、また地球規模分布、地球温暖化予測のシミュレーションにデータを提供した。 第二に、アロゾル界面での物質移動速度に関する理論的解析およびその大気モデルへの影響について研究した。界面物資移動の理解にとって従来、マクロな濃度変化から得られる現象論的な移動速度と界面分子衝突から決まるミクロな移動速度との関係に不確定さが残されていた。そこで本研究では分子動力学シミュレーションおよび数値流体計算を用いて不均質取り込み実験を解析し、従来の実験解析に伴う不確定さを是正して精密化した。とくに連続液滴実験の解析で、気相拡散抵抗の見積もりを是正することで、従来分子シミュレーションの計算を実験の間の不一致を解明した。さらにHO2ラジカルのエアロゾルへの取り込み係数が、典型的な対流圏境界層大気モデルに及ぼす影響を見積もった。
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