脳神経系における組替え体CNRゲノミック遺伝子の検索と解析
Project/Area Number |
13202034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉野 英彦 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (70270577)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 脳神経 / CNR / ゲノミック遺伝子 / 組替え |
Research Abstract |
現在我々が解析している、脳神経特異的に発現するカドヘリン様接着分子CNR分子は、シナプス間での神経細胞の結合、特に可塑性に関与していると考えられている。そこでマウスCNRのゲノム構造を明らかにしたところ、全長約250Kbの領域に17個のエキソンと、通常よりかなり高い頻度(約40%,通常の2.8倍)でイントロン中にLINE1が存在していることがデータベースの解析の結果明らかにされた。ほとんどのLINE1は全長を持たず断片化している。しかしCNR領域中には1つ完全なORFとプロモーターを持ち、逆転写能力の高いとされているLINE1ファミリーが挿入されていることを見出した。脳各組織から抽出したRNAを用いたRT-PCR、ノーザンブロットの結果、マウスでは、全長を含むLINE1が他の組織よりかなり高頻度で発現していることを我々は見いだした。さらに興味深いことにCNRゲノム領域に存在するLINE1も脳各領域(特に海馬、小脳)で全長の発現が強く見られた。このことはCNRが発現している神経細胞では同時にLINE1配列も転写され、LINE1の持つ逆転写活性によりその神経細胞中で発現しているCNR分子を逆転写再挿入させている可能性を強く示唆する。さらに現在までに脳組織由来のゲノミックライブラリーとPCRから我々は逆転写再挿入(レトロトランスポジション)したCNRクローンを複数個得ることに成功した。本研究において、レトロランスポジションといったセントラルドグマに逆行し、遺伝子を複製する機能が脳において存在する可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)