進行性腎疾患の発症・進展機序に対する分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
13204029
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
成田 一衛 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20272817)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 光博 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (90260546)
西 慎一 新潟大学, 医学部附属病院, 助教授 (70251808)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
|
Keywords | IgA腎症 / 遺伝子多型 / 高血圧 / アンジオテンシノーゲン / Polymeric immunoglobulin receptor / Fcα receptor / Uteroglobin / α-Adducin |
Research Abstract |
IgA腎症におけるIgA分子の異常に関する研究は既に多くの報告がなされているが、いまだ結論は得られていない。また、IgA分子の受容体であるFcαRやasialoglycoprotein receptor(AGPR)に関する基礎的研究は行われたが、ヒトIgA腎症でこれらの分子が病的意義を持つかどうかは不明である。本研究では多数例の腎生検組織像が明らかな症例からDNAを抽出し、IgA分子の産生・代謝に関わる遺伝子の多型をスクリーニングした。IgA腎症230例を含む520症例を解析し、その結果、polymeric immunoglobulin receptorをコードする遺伝子に多型がみられ、IgA腎症症例では健常対照者およびIgA腎症以外の腎炎患者に比較して、有意に遺伝子変異の確率が高いことを発見し、報告した。また、FcαR遺伝子のプロモータ領域に3カ所の一塩碁多型を同定し、IgA腎症とIgA腎症以外の糸球体腎炎の患者で遺伝子頻度、haplotype頻度を比較したが、有意差を認めないことを報告した。 また、腎炎進行の機序についても、レニンーアンジオテンシン系など高血圧に関連すると考えられる遺伝子や、TGF一β1やMCP-1などの炎症のメディエータの遺伝子の多型との関連を解析した。その結果、アンジオテンシノーゲン遺伝子のプロモーター領域の多型が、IgA腎症の腎機能予後に影響することが明らかになった。また、ウテログロビン(Uteroglobin)遺伝子の多型が、IgA腎症の、特に尿蛋白の多い症例や高血圧のある、もともと予後が不良な症例において、予後に大きな影響を与えることを報告した。さらに、RANTESやPPARγなどの遺伝子多型は、特定の組織病変(間質障害や細胞増殖度)と特に関連が深いことを発見した。 今後はマイクロサテライトマーカーと領域を絞った一塩基多型(SNP)を用いて、全ゲノムを対照とした責任遺伝子の解明を行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)