プロテオーム時代におけるタンパク質立体構造の第一原理的予測
Project/Area Number |
13208018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高田 彰二 神戸大学, 理学部, 助教授 (60304086)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | ゲノム / 生体分子 / 蛋白質 / バイオテクノロジー / プロテオーム |
Research Abstract |
ポストゲノムシークエンシング時代において、タンパク質の構造、機能を知ることが分子生物学の最重要課題である。本研究はタンパク質立体構造の第一原理的予測に真っ向から挑戦するものである。その解決のために、3つの側面から研究を進める。1)良いモデル=エネルギー関数の構築、2)高効率な構造探索法の開発、および3)ドメイン境界の予測法の開発。本研究はそれぞれに独自のアプローチで挑み、ゲノム配列がコードする大規模なタンパク質群の立体構造予測を目指す。 (1)まず、Zスコア法によるエネルギー関数の最適化を行った。エネルギーパラメータのトレーニングのために40個のタンパク質のセットを用意し、各々について変性構造を構造データベース中の別の構造へのThreadingでつくった。構造予測を可能とするエネルギー関数は、セットの全てのタンパク質が十分に小さいZをもつことを満たす必要があるので、その平均Z_<ave>を最小化した。最小化にはシミュレテッドアニーリング法を用い、メトロポリスモンテカルロ(MC)法で最適パラメーターを探索した。(2)得られたエネルギー関数の精度を確かめるために、Park&Levittのdecoy(非天然構造)セットによる構造認識テストを行った。セットの全てのタンパク質で天然構造に近いほどエネルギーが低いという相関がみられ、エネルギー関数による天然構造の認識ができた。(3)得られたエネルギー関数を使って、比較的小さなタンパク質を対象として、Bakerのフラグメントアセンブリ法により構造予測を行った。まず、構造データベースから配列相同性を基準にフラグメント(3残基、9残基断片)候補を選び、それらを組み合わせて3次構造を構築した。3次構造をつくるときには、フラグメントを置換していくMC法で行った。比較的小さく単純なトポロジーをもつタンパク質Immunoglobulin-binding Protein G の立体構造予測結果を示す。局所構造を既知構造に限った狭い構造空間での構造予測は成功したといえる。(4)さらに統計力学に基づくレプリカ交換分子動力学法で構造予測を行った。温度レプリカ交換法では、レプリカを温度に関してランダムウォークさせることで、幅広く構造空間を探索することができる。広い構造空間においてもprotein Gのおおまかなトポロジーの予測に成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)