アルツハイマー病脳における酸化的ストレスとPS2スプライシング異型との相関解析―Aβや小胞体ストレス反応との関連も含めて―
Project/Area Number |
13210017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
玉岡 晃 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (50192183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 昭英 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40301080)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 酸化ストレス / アポリポ蛋白E / トランスフェリン / アルデヒド脱水素酵素 / アミロイドβ蛋白 / スタチン / プレセニリン2 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)脳では酸化ストレスの亢進が報告されているが、その機序に関しては明らかではない。本年度は、まず病理学的に確実なアルツハイマー病(AD)におけるADの危険因子の中でも酸化ストレスとの関連が示唆されている遺伝子多型の頻度を検討した。病理学的に証明された凍結保存孤発性AD脳より抽出したDNAを用いて、アポリポ蛋白E(APOE)、トランスフェリン(Tf)、ミトコンドリア型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)などの遺伝子多型を同定し、非AD対照群での頻度と比較検討した。対照群には、非ADの凍結保存した剖検脳以外に正常ないし非AD患者の白血球由来DNAを用いた。APOE-ε4やALDH2-*2はAD群で有意に出現頻度が高かったが、Tf-C2の出現頻度は有意差がなかった。PS2スプライシング異型に関しては凍結脳mRNAレベルでの検出を試みたが困難であった。次に抗酸化作用を有するスタチンの血漿アミロイドβ蛋白(Aβ)に対する影響を解析した。10mgのpravastatinあるいは5mgのsimvastatinを服用している22名の高コレステロール血症患者群と年齢、性をマッチさせた対照群より一晩絶食後採血し、血漿中Aβ40、Aβ42をサンドイッチELISAにて定量したところ両Aβ分子種ともに二群間で有意差が認められなかった。次に高コレステロール血症患者39名に10mgあるいは20mgのpravastatinを投与し、服用前と服用後の血漿Aβを経時的に測定した。現在服用5ヶ月後まで追跡しているが、Aβ40、Aβ42ともに、服用前と有意な変化が認められていない。通常量のstatinの服用では血漿Aβ量を減少させない可能性が考えられるが、痴呆やADとstatinとの関係は疫学的にも生物学的にも更なる検討が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(21 results)