歩行における左右肢の協調運動パタンを制御する神経機構の機能分化
Project/Area Number |
13210019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西丸 広史 筑波大学, 基礎医学系, 助手 (20302408)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
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Keywords | 脊髄 / ラット / 歩行運動 / GABA / グリシン / 交叉性ニューロン / リズム形成回路 |
Research Abstract |
本研究では歩行運動の際の左右の交代性のリズム活動のパターンの形成に関わる交叉性脊髄介在ニューロンの電気生理学的性質とその機能分化を調べることを目的とした。新生児ラット脊髄摘出標本においてセロトニン(5-HT)の灌流投与は腰髄前根に交代性の歩行運動様のリズム活動を引き起こす。そのリズムが発現する初期(胎生14-15日)においては左右同期したリズムが見られ、生まれる直前(胎生18-20日)に交代性のパターンへと変化する。この二つの異なるパターンを示す時期のラット胎児から得た脊髄摘出標本を用いて正中部で灌流槽を二分し、片側のリズム形成回路網から対側運動ニューロン群への入力について調べた。同期したリズムが見られる胎生15.5日の標本において片側脊髄に5-HTを灌流投与したところ、投与側と同期したリズムが対側前根にも誘発された。この結果から、片側脊髄のリズム形成回路網は対側のリズム形成回路網および運動ニューロンに興奮性に結合していることが示唆された。この対側のリズムは対側脊髄へのグルタミン酸受容体の拮抗薬であるキヌレン酸の投与では抑制されず、GABA_A受容体の拮抗薬のビククリン投与によって抑制されたことから、交叉性の興蓄性シナプス入力はグルタミン酸受容体ではなく、主にGABA_A受容体を介していることが示唆された。一方、左右交代性のパターンが見られる胎生18.5日以降の脊髄摘出標本においては、片側脊髄に5-HTを灌流投与してもその対側前根にはリズムが誘発されず、この時期、リズム形成回路網の交叉性入力の性質が抑制性へと変化したことが示唆された。さらに、この時期見られる左右交代性のリズムはストリキニーネの灌流投与により同期したリズムに変化することから、ラットにおいては生直前に交叉性の抑制性の入力は主にグリシン受容体を介するようになることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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