神経変性疾患における異常リン酸化タウの蓄積機構の解明
Project/Area Number |
13210032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
長谷川 成人 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (10251232)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
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Keywords | 脳神経疾患 / 痴呆 / 老化 / プロテオーム / 蛋白質 |
Research Abstract |
(1)試験管内モデル FTDP-17のミスセンス変異(P301L、V337M、K257T、G389R)を導入したリコンビナントタウを大腸菌に発現、精製し、ヘパリン存在化でタウの線維形成を電子顕微鏡で観察したところ、変異を有するタウは野生型タウ(WT)よりも多くの線維形成がみられ、変異の線維形成促進効果が観察された。その効果はP301Lが最も大きかった。またタウをラット脳粗抽出液でリン酸化して線維化したところ、タウの線維形成の促進が観察された。ヘパリンを添加しない系においても線維形成までは時間がかかったが、同様の結果が得られた。線維化したタウを遠心後、上清と沈澱に分けて、線維化タウを定量したが、電子顕微鏡による観察とほぼ一致した結果が得られた。今回の実験から、タウの変異が線維化を促進することが確認されたと共に、リン酸化がタウの線維化を促進すること、リン酸化と変異の効果が相加的に働くことが試験管内のタウの線維化実験においてはじめて観察された。 (2)動物モデル 野生型ヒトタウ、及びFTDP-17のP301L、P301S変異を導入したタウを過剰発現するトランスジェニックショウジョウバエを作製し、それぞれのタウがハエの脳内で発現していることを免疫組織染色で確認した。 (3)Lewy小体に蓄積するα-synucleinのリン酸化の同定。 Lewy小体型痴呆患者脳に蓄積しているα-synucleinを精製し、アミノ酸配列解析、質量分析を行ったところ、蓄積しているα-synucleinの129番目のセリンが高度にリン酸化されていることを発見した。リン酸化ペプチドを合成し特異的抗体を調製して免疫化学的解析をしたところ、正常では5%程度しかリン酸化されていないのに対し、蓄積しているものは90%以上リン酸化されていることを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)