神経活動の光学的イメージングによる皮質・脳幹の機能発生/機能破綻過程の相違の解析
Project/Area Number |
13210050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80291342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 容子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70251501)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
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Keywords | 光学的計測 / 膜電位感受性色素 / 中枢神経系 / シナプス / 鶏胚 / depolarization wave / Ca wave / gap junction |
Research Abstract |
老化をはじめとする神経系の変性では、脳皮質領域が侵されることが多く、植物状態にはなり得ても、脳幹領域が障害をうけて個体死に至ることはない。これは、脳幹と皮質との間で、神経栄養因子への依存性など機能的・器質的な特性に何らかの違いがあるためと考えられる。本研究では、この仮説を検証するために、脳幹領域と皮質領域との機能発生/機能破綻過程を比較検討し、両者の間にどのような相違が見られるのかを明らかにすることを目的とするものである。我々は、まず機能発生過程に焦点を当て、膜電位感受性色素と神経活動の光学的イメージング法を発生初期胚に適用し、個体発生に伴う神経回路網の機能的システム構築と、それに関わる受容体の機能的発現過程について解析を行った。本年度の大きな成果は、脳神経・脊髄神経を介した外来性入力、あるいは中枢神経系内に内在する自発興奮活動によって、脳幹、脊髄、中脳、小脳、間脳、大脳など、中枢神経系のほぼ全領域にわたって広範に伝播するdepolarization waveが誘発され、それに引き続き、中枢神経系全体に広がるCa waveが引き起こされることを見いだしたことにある。このdepolarization waveは、発生の一時期に特異的に出現し、個体発生における重要なシグナルとして機能しているものと考えられるが、脊髄から大脳までと非常に広範囲に伝播することや、上位中枢から脊髄へ、逆に脊髄から上位中枢へといった非固定的な伝播パターンを示すこと、またchemical synapseとgap junctionの両方が関与したdual networkを介することなど、これまでに報告がない新しい特性を有することが分かった。さらに、このdepolarization waveは、当初鶏胚で見いだされたが、哺乳類でも発現していることが明らかとなり、種を越えた普遍的な発生制御システムとして機能していると推察された。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)