分子シャペロンによる神経細胞変性の抑制に関する研究
Project/Area Number |
13210105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中井 彰 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252516)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / 転写因子 / ポリグルタミン / 神経細胞 / アデノウイルス / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究は、一群の熱ショック蛋白質に共通の転写因子を鍵として、熱ショック蛋白質群の神経細胞での高発現を導くことで神経変性疾患の治療の可能性を検討するのがねらいである。私たちは、これまでに活性型熱ショック転写因子HSF1を作成し、この因子のHeLa細胞への高発現により一群の熱ショック蛋白質の発現が亢進することを確認した。さらに、病的な長さのポリグルタミンを融合させた蛍光蛋白質GFP(Q81-GFP)を活性型HSF1高発現HeLa細胞へ発現させると細胞内凝集体の形成と細胞死が著明に抑制されることを示した。今回、遺伝子治療をめざして、活性型HSF1を発現するアデノウイルスベクター(Ad-HSF1)を作成してその効果を調べた。コントロールとしてLacZを発現するベクター(Ad-LacZ)を用いた。Ad-HSF1のHeLa細胞への感染により一群の熱ショック蛋白質の高発現を認めた。ウイルスを感染させて24時間後にQ81-GFPの発現ベクターを導入した。36時間後にGFPを発現しているすべての細胞と封入体を持つ細胞をカウントした。その結果、Ad-LacZを感染した細胞では約30%、Ad-HSF1感染細胞では約15%の封入体形成細胞が存在した。トランスフェクトするQ81-GFP発現ベクターの量を変えると封入体形成細胞の割合は変動するが、Ad-HSF1感染細胞での封入体形成率は、常にAd-LacZ感染細胞の率の約半分であった。驚いたことに、Q81-GFPベクターをトランスフェクトして48時間後にウイルスを感染しても、やはりAd-HSF1感染細胞で封入体の形成率が低下した。以上の結果より、ウイルスによる活性型HSF1の高発現はポリグルタミン病の治療に有効であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)