脳磁場(MEG)を指標とした語音学習に伴うヒトの大脳皮質聴覚野の活動変化の検討
Project/Area Number |
13210142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
渡邉 昌子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00321612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 理直 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 講師 (00273714)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
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Keywords | MEG / 聴覚 / 言語音 / 外国語学習 / マスキング / MMN |
Research Abstract |
語音の構成は言語によって異なるために外国語学習時には、母語に存在しない音素の認識、聞き分けが学習者にとって大きな課題となる。我々は言語音の聞き分けに関与する神経基盤を探るために、誘発脳磁場成分ミスマッチフィールド(MMF)を記録した。MMFは1秒前後の短い間隔で繰り返し提示される同一の音(標準刺激)の中に、それとは異なる音響的特性を持つ逸脱刺激がまれに挿入された場合に、逸脱刺激に対して特異的に出現する誘発脳磁場成分である。逸脱刺激と標準刺激の間の心理的な距離が大きくなるのに従って、MMFの振幅は増大し、その潜時は短縮することが知られている。 言語音の場合、母音部の強度が子音部と比較して大きいために母音部がマスク刺激として作用し、十分な聞き分け学習効果が得られない可能性がある。先行研究として、我々は日本人を対象として日本語にはない子音対である/l/と/r/を刺激としてMMFを記録した。刺激としては合成音/la/および/ra/を用いた。刺激長が150msの場合にはMMFが認められなかったが、母音部を短縮して刺激長を110msとした場合には全ての被験者において明確なMMFが認められた。我々はこの持続効果を母音部からの先行子音部に対するマスキング効果によるものと解釈した。今回、このような母音の持続時間の効果が/l//r/を母語の音素体系に含む米語話者にも認められるかどうか検討した。その結果、米語話者には2つのMMF頂点が認められ、両者に刺激長の効果が認められた。すなわちshort条件のほうが、long条件よりもMMF振幅が有意に大きかった。これらの結果から被験者の母語であっても母音による子音部に対するマスキングは生じると解釈した。また、MMF1の潜時は先に日本人話者で得られたMMFの潜時とよく一致していたことから、/l/と/r/の音響的な違いに対するMMFであると推察した。また、米国語話者だけに認められたMMFは音響的な処理に引き続いて起る音韻処理を反映したものと推察した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)