Project/Area Number |
13210157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
鈴木 俊顕 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90252171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 智樹 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00311423)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / パーキン / パーキンソン病 / 品質管理 / CHIP / 分子シャペロン / 線虫 |
Research Abstract |
細胞内では、新生タンパク質の30%以上が正常にフォールディングされない不良品であり、また正常にフォールディングしたタンパク質であっても、酸化や重金属汚染などによる細胞内外のストレスによって不断に障害を受けている。しかしながら、これらの不良品や障害タンパク質は、通常、細胞内にはほとんど検出されない。それは、ユビキチンプロテアソームシステムが「細胞内で異常性を獲得したタンパク質を敏速に発見し破壊してしまう品質管理装置」として働くからである。しかし、この細胞内でのタンパク質の品質管理(不良品処理システム)を担うユビキチンリガーゼ(E3)は、これまで見つかっていなかった。本年度我々は、CHIPと呼ばれる分子がこの概念に当てはまるユビキチンリガーゼであることを見出した。CHIPはHsc70に結合するco-chaperone(シャペロンの補助因子)として発見された分子である。CHIPはN端側にHsc70と相互作用するTPR(tetratricopeptide repeat)という繰り返し構造を、そしてC端側にはU-box(E3の触媒部位であるRING-fingerと類似のモジュール)という特殊な構造を有している。我々は、インビトロでCHIPがHsp90やHsc70と連携して変性タンパク質を選択的にユビキチン化する能力を有することを証明した。即ち、CHIPはタンパク質のネイティブな状態とノンネイティブな状態をシャペロン依存的に識別して,後者を選択的にユビキチン化するE3であることが判明したのである。最近、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ポリグルタミン病、プリオン病などの神経変性疾患が、タンパク質の品質管理に破綻をきたした病気であるとする概念が高まってきつつある。そして、これらの神経変性疾患の発症あるいは増悪化にタンパク質の品質管理機構の破綻が関係している可能性が示唆されている。従って、CHIPなどの品質管理リガーゼの研究の進展は、これらの難治疾患の発症阻止に向けた新しい戦略を構築できると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)