孤発性パーキンソン病の神経細胞変性の機序;ミトコンドリアにおける細胞死制御機構
Project/Area Number |
13210161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
丸山 和佳子 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老化機構研究部, 室長 (20333396)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
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Keywords | パーキンソン病 / ミトコンドリア / アポトーシス / 神経変性 / 酸化ストレス / ミトコンドリア膜透過性(PT) / N-methyl(R)salsolinol / complex I |
Research Abstract |
孤発性パーキンソン病の原因は不明であるが、パーキンソン病患者の死後脳の分析によって、活性型カスパーゼ3、細胞質チトクロームcの増加など、ミトコンドリア依存性のアポトーシスシグナルの活性化が認められている。一方、以前よりパーキンソン病患者の黒質ドパミン神経細胞において、酸化ストレス増大と、ミトコンドリア呼吸鎖酵素、特にcomplex Iの障害が報告されている。これらの結果は孤発性パーキンソン病における神経細胞死には、ミトコンドリアが中心的な役割を果たしている可能性を示唆している。 一方、パーキンソン病にはヒト脳内に存在するドパミン神経に選択的な低分子化合物(内在性神経毒)が関与している可能性がある。ドパミン由来の内在性神経毒であるN-methyl(R)salsolinolはパーキンソン病患者でその合成、蓄積が増加しており、動物モデルにおいてドパミン神経細胞に選択的毒性を示す。N-methyl(R)salsolinolによる細胞死の機序を培養細胞、単離ミトコンドリアを用いて検討した。ラット肝臓より単離されたミトコンドリアを用いた実験によりN-methyl(R)salsolinolの作用点はミトコンドリアに存在し、ミトコンドリア膜透過性(PT)を増大させることが証明された。ミトコンドリアPT増大はcomplex Iを阻害し、パーキンソン病における細胞死に関与している可能性がある。一方、rotenoneによるcomplex I阻害により、種々のタンパクの酸化修飾が引き起こされることが証明された。これらタンパクの修飾はその立体構造を変化させることにより不活化と凝集体形成に関与している可能性があり、さらに検討が必要と考えられた。さらに今後PTの変化がミトコンドリア機能不全を介してタンパク変性に関与する機序について明らかとしていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(17 results)