一酸化窒素による大腸腺腫細胞の癌化の証明と遺伝子異常の同定
Project/Area Number |
13214006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 太 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (00250423)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
|
Keywords | 発癌 / 遺伝子異常 / 一酸化窒素 / ヒト大腸腺種細胞 / 大腸癌 / 炎症 / プログレッション |
Research Abstract |
一酸化窒素による大腸腺腫細胞の癌化の証明と遺伝子異常の同定を目的として、以下の研究を行い成績を得た。 1.一酸化窒素ドナー反復処理による培養ヒト大腸腺腫細胞の癌化の証明 ヒト培養大腸腺腫細胞を培養条件下で一酸化窒素ドナーの反復処理をした。その結果、一酸化窒素処理した大腸腺腫細胞の一部は、ヌードマウスに致死増殖する大腸癌へと進展することを確認した。従ってこのことは大腸腺腫細胞の癌化に一酸化窒素が関わるという直接証拠を得たことになる。 2.一酸化窒素により大腸癌に進展した細胞に見られる既知の遺伝子異常の解析 次いで大腸腺腫細胞株とこれの一酸化窒素処理による大腸癌細胞株間の既知の遺伝子異常を検索した。大腸癌細胞では、大腸腺腫細胞にすでに変異のあるAPC遺伝子およびK-ras遺伝子の更なる突然変異は観察されなかった。また、DCC遺伝子の欠失は、解析した範囲内では認められず、p53の機能的転写活性化能を指標とした変異も認められなかった。 3.一酸化窒素により大腸癌に進展した細胞に見られる新規遺伝子異常の同定 大腸腺腫細胞と一酸化窒素処理による大腸癌細胞間における新規の遺伝子異常を網羅的に解析するためにマイクロアレイ解析を行った。一酸化窒素誘発大腸癌細胞株には、いくつかのコラーゲンおよびその分解酵素に関連する遺伝子群の発現異常を認めた。現在これら遺伝子の大腸発癌に占める細胞生物学的な意義を継続検討中である。 以上の成績により、これまで内因性発癌要因として推定されてきた一酸化窒素の大腸発癌作用を初めて証明することに成功した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)