新規イノシトールリン酸結合性蛋白質は癌抑制遺伝子産物か?
Project/Area Number |
13214076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 雅人 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60136471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 美穂 九州大学, 歯学研究院, 助手 (40291520)
兼松 隆 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (10264053)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | イノシトール6リン酸 / アポトーシス / Akt / 細胞延命 / 発がん抑制 |
Research Abstract |
細胞外から加えたイノシトール6リン酸(InsP_6)のがん細胞(HeLa細胞)に対する影響を検討した。 1.細胞外から加えたInsP_6がHeLa細胞の増殖を抑制した。その増殖抑制はソフトアガー中の足場の無い状態でも観察され、がん抑制に有効であることを示す。 2.EGFやTNF刺激による細胞延命に関わる機構の素過程、例えばAktのリン酸化と活性化、IκBのリン酸化と分解、NFκBの活性化と細胞内移行、転写の活性化(ルシフェラーゼアッセイ)などがInsP_6によって抑制された。すなわちInsP_6は細胞の延命機構を抑制して、細胞死に至らせる。 3.InsP_6をHeLa細胞に加えると単独でアポトーシス(ヘキスト染色、TUNEL染色、cleaved-PARP染色、カスパーゼ3,7,9の分解)を誘発した。 4.さらにInsP_6によって誘起されるアポトーシスをミトコンドリアの電位測定、サイトクロームCの遊離などによっても確認した。 5.上記のInsP_6の効果は比較的高濃度を必要としたが、InsP_5やInsP_4では10倍程度の低濃度でも同程度の有効性を示した。 これらの全ての現象はInsP_6が発がん抑制に有効であることを示している。今後は細胞外から加えたInsP_6が細胞内でどのようなイノシトールリン酸に代謝されるかなども含めて分子メカニズムの解明にむけた研究を進める。 次いで、我々が見い出した新規イノシトールリン酸結合性蛋白質を細胞内に導入した際に観察される上記の事象についても検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)