発作性夜間血色素尿症患者における白血病の好発の機序の解明
Project/Area Number |
13214087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中熊 秀喜 熊本大学, 医学部, 助教授 (90207746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 健太郎 熊本大学, 医学部, 助手 (40322309)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / 遺伝子変異 / Tリンパ球 / HPRT / 骨髄細胞 |
Research Abstract |
発作性夜間血色素尿症(PNH)は溶血や造血不全に加え白血病を発生する。我々はクローン性増大、アポトーシス耐性、増殖異常などの細胞特性に加え、患者に多種変異クローンや染色体異常細胞の混在を検出し、好変異環境の存在を提唱している。そこで、変異率測定法が確立されているHypoxanthine-guanine phosphoribosyl transferase(HPRT)遺伝子を用い好変異を実証すると共に変異の原因解明を試みた。その結果、6チオグアニン(6TG)耐性を指標にしたHPRT遺伝子変異Tリンパ球の検出率はPNH患者で8人/12人、健常人で3/17であった。この8人と3人の陽性者における変異コロニー数は10^7コロニーあたり各々40〜367と1〜16で、変異発生で有名なataxia telangiectasia患者は43であった。つまり、PNH患者ではHPRT変異が高率に発生していた。骨髄細胞コロニー解析も同じ結果を示した。また、変異率と罹病期間や治療内容との相関はなかった。HPRTcDNAの塩基配列解析は6TG耐性を支持し、変異はほぼ全領域に分散し、内容的に塩基欠損が多く、健常人に検出された1塩基置換とは違っていた。これらの特徴はPNH患者にみられるPIG-A遺伝子変異と似ており、PNH特有の変異原が存在する可能性がある。なお、HPRT変異細胞とPIG-A変異細胞は別個であり、特定の細胞に変異は集中していなかった。また造血不全や白血病化を共有する再生不良性貧血でも好変異を示し、変異発生原因の追究の方向性が得られた。これらの成果は白血病発生機構の解明に有用と思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
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