Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Research Abstract |
われわれは,新規細胞質型アイソフォームPTPεCが存在することを報告し,PTPεCの遺伝子調節・発現・シグナル調節・サイトカイン特異性などを解析した。 1.PTPεの2つのmRNAは,単一遺伝子から,alternativeなプロモーター利用によって生ずる。 2.PTPεCの発現が,M1細胞を含む白血病細胞のマクロファージ分化過程で上昇する。 3.PTPεCは,その酵素活性依存的にIL-6によるM1細胞の分化を強く抑制し,このJAK-STAT経路の抑制は,JAK活性化レベルでの抑制によることを明らかにした。 以上の実績に立ち,PTPεCの生理作用の特異性を調べ,さらにPTPεCの個体レベルでの作用を調べる目的でPTPεCをトランスフェクトしたM1細胞をヌードマウスに接種し,増殖に与える影響を個体レベルで解析した。その結果,PTPεCの上記の抑制効果は,IL-6受容体およびIL-10受容体を介したSTAT活性化においても認められたが,これに対しインターフェロン(IFN)α/β受容体やIFNγ受容体を介したJAK-STAT経路に対しては認められなかった(Blood,98,3030-3034,2001)。また,PTPεCはM1細胞の増殖に有意の差を生じせしめた。現在,その理由を解析中である。これらの研究成果は,チロシンホスファターゼPTPεCの分子種特異的な生理機能・作用機構・作用特異性・遺伝子調節などを明らかにした点で,きわめて興味あるものである。
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