Project/Area Number |
13216014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
的崎 尚 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (80252782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡澤 秀樹 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (80334126)
大西 浩史 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (70334125)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
|
Keywords | 細胞増殖 / 細胞接着 / チロシンホスファターゼ / SHP-2 / SHPS-1 / CD47 / SAP-1 / 低分子量G蛋白質 |
Research Abstract |
生理的な細胞増殖と細胞接着のシグナル伝達機構の解明は、がんの生物学的特性である無制限な増殖能や浸潤・転移能を分子レベルで理解する上で必須であると考えられる。このような観点から、私共は細胞の増殖と接着の制御機構における蛋白質チロシンリン酸化シグナルの生理的役割とがん化や転移の病態との関連につき研究を行っており、本年度も、チロシンホスファターゼの生理的機能と作用機構を中心に研究を行い、以下の結果を得た。 (1)チロシンホスファターゼSHP-2は、上皮系細胞であるMDCK細胞において低分子量G蛋白質RasとRhoの活性制御に関与し、細胞接着と細胞運動を制御することを明らかにした。 (2)上皮系細胞では、カドヘリン依存性の細胞間接着により、ドッキング蛋白質Gab-1がSrcファミリーチロシンキナーゼの作用を介してチロシンリン酸化をうけ、下流シグナルであるRas/MAPキナーゼあるいはPI3-キナーゼ/Aktの活性化に重要であることを示した。 (3)SHP-2の脱リン酸化基質であり結合蛋白質であるSHPS-1は、その細胞外領域のリガンド分子であるCD47と相互作用して、マクロファージ機能ならびに神経シナプス機能の制御に重要な役割を果たす可能性を示した。 (4)受容体型チロシンホスファターゼSAP-1が、細胞-基質間接着依存性に活性化され、細胞-基質間接着部位に局在するp130CasやFAKチロシンキナーゼなどのチロシンリン酸化蛋白質を基質として作用し、細胞増殖に抑制的に働くことを明らかにした。 今後、さらにSHP-2によるRas系制御の分子メカニズムにつき検討すると共に、新たな細胞間シグナル伝達系であるCD47-SHPS-1系の生理機能とその作用機構、さらにがんにおける異常について解析する予定である。また、SAP-1は長らく明らかにされていないコンタクトインヒビションの分子機構に密接に関与する可能性が想定され、今後、SAP-1の細胞増殖抑制の分子機構をさらに明らかにすると共に、がんにおける異常と転移との関連につき検討する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)