がんを好発するSmad3欠損マウスを用いたTGF-β作用に関する血管生物学的解析
Project/Area Number |
13216018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横手 幸太郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20312944)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Keywords | TGF-β / 血管平滑筋細胞 / 細胞遊走 / 細胞内シグナル伝達 / ノックアウトマウス / Smad / 血管新生 |
Research Abstract |
TGF-βのシグナル伝達に関わる主要分子のノックアウトマウスとして唯一成熟個体を得ることができるSmad3ノックアウトマウス(以下Smad3 KO)を用い、血管生物学的解析を行なった。まず、C57BL/6系統のSmad3 KOを作成した。 このマウスから酵素法により大動脈平滑筋細胞を単離培養することに成功した。ボイデンチャンバー変法によるケモタキシスアッセイを行なったところ、Smad3分子を欠く平滑筋細胞は野生型細胞に比べ、TGF-βに対する遊走反応が最大約70%増強していた。つまり、マウス平滑筋細胞にはSmad3以外の遊走を媒介するシグナルが存在し、Smad3はむしろ遊走抑制的に働くことが示唆された。これに対してマウス単球の遊走にはSmad3が必須であることから、TGF-βの細胞遊走に必要なシグナルは細胞の種類によって異なるものと思われた。また無血清処理にてストレスファイバーを消失させた平滑筋細胞をTGF-βで刺激し、ファロイジン染色で細胞内アクチン線維の構造変化を検討した。野生型平滑筋細胞では4時間のTGF-β刺激によりストレスファイバーの出現を認めた。一方、Smad3KO平滑筋細胞では、TGF-β添加によるストレスファイバー形成反応が欠如し、Smad3経路がRhoの活性化をもたらすことが示唆された。 野生型とSmad3KOを用いたマトリゲルプラグアッセイから、TGF-βはマトリゲル内への血管新生を阻害し、その作用はSmad3により媒介されることがわかった。 このほか、ローズベンガル色素の血管内投与と光照射により血管内皮傷害・内膜肥厚を誘導するモデルを確立し、Smad3KOを用いた血管壁リモデリングの解析を開始した。またアポEKOとのダブルノックアウトマウスを作成し、高コレステロール食負荷実験の基礎検討に着手している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)