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¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Research Abstract |
癌細胞の表面には特徴的な糖鎖構造が見い出されており,それらが細胞のがん化や浸潤・転移に関連していると言われている。実際,癌細胞特異的な腫瘍抗原の多くは糖鎖抗原であり,腫瘍マーカーとして診断にも利用されている。しかし,今までの研究はこれらの糖鎖構造と細胞のがん化やその悪性度との相関関係を調べたものがほとんどであり,糖鎖が癌細胞の性質にどのような影響を与えているかはよくわかっていない。本研究では,我々が作製したβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I(GalT-I)KOマウスを用いて,ルイス(Le)抗原などの腫瘍糖鎖抗原の構造の変化が,細胞のがん化と形成された腫瘍細胞の増殖や浸潤,転移などの性質に与える影響を明らかにする。そのために,本年度はこのマウスにおける基幹糖鎖構造の解析を行うと共に,化学発がん剤による誘発腫瘍から得た腫瘍細胞株の単離を行い,GalT-I遺伝子を再導入して双方の細胞株の性質の解析を行った。 GalT-I KOマウスにおける血清糖タンパクの基幹糖鎖構造を調べたところ,GalT-1が合成に関与する2型糖鎖の合成量が低下していることに加え,通常は殆ど合成されていない1型糖鎖の合成量が顕著に増加していた。そこで,GalT-IKOマウスの皮膚に化学発癌剤を塗布して得た腫瘍から細胞を分離・株化し,その性状を解析した、発癌剤塗布により誘発したGalT-IKOの腫瘍に比べ,対照群では増殖の早い腫瘍が多い傾向が見られた。しかしながら腫瘍から細胞を株化して比較寸ると,増殖速度の差はむしろ株間の性質の多様性に負うところが大きかった。そこでGalT-IKOマウス由来腫瘍細胞株にGalT-1遺伝子を導入して比較したところ,細胞接着能に差は見られなかったが,in vitroでのmigration活性やinvasion活性は導入GalT-1遺伝子の発現量と相関した活性低下が観察された、今後はin vivoでの浸潤や転移能を解析して,どのような糖鎖構造ががん細胞の性質に影響を与えているかを明らかにしていく予定である。
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