がん遺伝子産物チロシンキナーゼの酸化的構造修飾による高度活性化の機序と意義
Project/Area Number |
13216045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 泉 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40022826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 治彦 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90283431)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | RET / チロシンキナーゼ / 酸化ストレス / 紫外線 / システイン残基 / 重金属ストレス / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
がん遺伝子RETの産物RETチロシンキナーゼがキナーゼドメイン上の特定システインの酸化による構造修飾によって高度活性化し、そのことががんの増殖と悪性転化にかかわることを示唆する以下の研究成果を得た。c-RETのCys987あるいはRET-PTC-1のCys376をアラニンに置換すると、RETの酵素活性が著しく低下するとともに、紫外線や浸透圧ストレスに応答して活性化する特質が失われた。しかしこの場合には、RETの基本的な分子構造が不安定となることから、システインのSH基の酸化還元以外の要因の関わりも否定できなかった。そこでこのシステインをグリシンやセリンに置換したミュータントを新たに作製して、内在性活性のレベルと酸化的ストレスへの応答性を調べた。その結果、これらのアミノ酸の置換によっては分子の不安定性は検出されず、それにもかかわらず、内在性活性のレベルと紫外線に対する応答性は著しく低下することが判明した。現在、GSTタグを導入したRET蛋白をバキュロウイルスに導入して精製した大量のRET蛋白を用いて、質量分析機によるマススペクトメトリーによりさらに詳細な解析を進めている。一方、酸化ストレスにより高度活性化するRETの下流のがんの増殖と悪性転化にかかわるシグナル経路を、RETを導入したNIH3T3細胞において解析し紫外線で活性化したRETの下流でERKやJNKなどのMAPキナーゼが活性化することが示され、その下流でMMP-2の発現増強がおこることが示唆された。RET上流のシグナル伝達に関しては、重金属やカルボニル化合物によって細胞表面受容体が架橋されると、膜のラフトの働きに依存して活性酸素がつくられることを示した。このラフトの働きに関連する遺伝子を分離し、現在機能の解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)