アポトーシス実行因子カスパーゼ8のがん抑制因子としての機能解析
Project/Area Number |
13216051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒巻 和弘 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (20271017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 慶權 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50303912)
米原 伸 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00124503)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | カスパーゼ / アポトーシス / デスレセプター / 細胞死 / ミトコンドリア / キメラマウス |
Research Abstract |
デスレセプターを介したアポトーシス誘導系によるがん細胞排除の作用機序を明らかにし、細胞死抑制化と細胞のがん化の関連性を示すために、デスレセプターを介したアポトーシス誘導シグナルに必須であるカスパーゼ8について研究を行った。本研究では、カスパーゼ8を欠く細胞株やカスパーゼ8遺伝子を欠損したES細胞から作製したキメラマウスを用い、カスパーゼ8が機能を失った場合に細胞や個体でどのような影響が現れるか調べた。カスパーゼ8遺伝子欠損マウスより樹立した繊維芽細胞株は、Fasだけでなく他のデスレセプターからのアポトーシス誘導に対しても耐性となるが、スタウロスポリンやセラミドの薬剤、UV照射及び培地中の血清の除去によるアポトーシス誘導に対しては感受性を残していることが判った。また、カスパーゼ8遺伝子を欠損したES細胞を用いて作製したキメラマウスは、加齢と伴に種々の組織においてリンパ球系の腫瘍細胞が高頻度で発症することが判明した。これらの結果は、カスパーゼ8を欠いた細胞は免疫細胞等によるデスレセプターを介した細胞障害性活性に対して耐性となることを示唆する。しかしカスパーゼ8欠損細胞は完全な不死化細胞とはいえず、この細胞が癌化するためにはさらに遺伝的変異が必要であると考えられた。キメラマウスを解析した結果は、カスパーゼ8を欠損した細胞が加齢の間に起きた遺伝子変異のために癌化した可能性を示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)