細胞死のシグナル伝達における熱ショック応答システムの役割の解明
Project/Area Number |
13216075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中井 彰 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252516)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / 熱ショック応答 / 熱ショック転写因子 / 転写 / シグナル / がん抑制遺伝子 / WT1 |
Research Abstract |
細胞の増殖や分化にともなって熱ショック応答が引き起こされる現象は以前から知られている。私たちはその分子機構と生物学的意義を明らかにしたいと考えている。私たちは、これまでに細胞の増殖や分化を制御するがん関連遺伝子が熱ショック転写因子の活性を制御することを示してきた。本研究では、がん抑制遺伝子WT1と熱ショック応答のシグナルのリンクについて解析を行った。 テトラサイクリン依存性にWT1が誘導されるヒト骨肉腫細胞株を用いた。この細胞は、テトラサイクリンを除くとWT1蛋白質の蓄積が4時間目頃から認められる。そして24時間から48時間で細胞死をきたすことがわかっている。WT1の発現と一致してHsp70、Hsp40、Hsp110のmRNAの発現誘導が認められた。熱ショック転写因子HSFのDNA結合活性は、やはりWT1蛋白質が発現する4時間前後で認められた。活性化されたのはHSF1であり、もともと核に存在していた単量体HSF1が三量体へと転換してDNA結合能を獲得したことがわかった。さらに、Pull-down assayによってHSF1とWT1が直接結合することがわかった。また、活性化されたHSF1とDNAとの複合体にはWT1は含まれないことから、WT1とHSF1との結合は一過性であることが示唆された。次に、個体発生の過程でWT1とHSF1、さらにはHsp70の発現の相関について調べた。特に腎臓発生過程で、WT1は蛸足細胞に一過性に高発現する。これと一致してHSF1の発現も蛸足細胞で高いこと、Hsp70の発現も高いことがわかった。以上の結果から、生体はWT1の機能を発現させるために、HSF1を介して熱ショック応答のシグナルをも活性化させることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)