PDZタンパクを介するシグナル伝達のクロストークと発癌
Project/Area Number |
13216076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | アクチビン / PTEN / Dok-1 / アポトーシス / アクチビン受容体 |
Research Abstract |
アクチビンを含むTGF-βファミリーの因子は増殖抑制因子として位置付けられる。最近、その受容体や細胞内シグナル伝達分子群Smadの変異が、膵臓癌、大腸癌などで見いだされ、そのシグナル伝達系の異常と細胞の癌化の関連が注目されている。アクチビンのシグナル伝達系の解析を通して未知の癌化機構の解明を目的としているが、今回は下記の成果を得ることができた。 アクチビン受容体細胞内領域と相互作用する分子群ARIPによるアクチビンのシグナル伝達調節機構を検討した。ARIP1は癌抑制遺伝子PTENとも結合し、Akt経路を阻害した。またARIP2はアクチビン受容体のエンドサイトーシスを促進した。ARIP分子群は膜近傍において様々なシグナル伝達分子の離合集積を抑制しており、新しい癌化機構の解明へとつながる可能性を示した。さらに、ある種のB細胞のアクチビンによるアポトーシスシグナルがDok-1上を通過することを明らかにた。 ARIP1は新しいタイプの癌抑制遺伝子として捉えることもできる。癌化機構の新しいメカニズム解明への手がかりとしたい。一方、ARIP2には各種バリアントが存在し、膜蛋白質の動態を制御する因子として機能する新しいタイプのPDZ蛋白質として注目したい。さらに、Dok-1がアクチビンシグナル伝達分子のアダプター蛋白として働いていることはSer/Thrキナーゼ系シグナルとTyrキナーゼ系シグナルとが細胞膜直下でクロストークしていることを示しており、新しい機構の発見としてこれからの展開を期待したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)