Apaf1欠損アポトーシス抵抗性細胞における癌化と細胞死の解析
Project/Area Number |
13216078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 裕樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40260715)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | Apaf1 / ニューロン / アポトーシス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
これまで、ミトコンドリア依存性アポトーシス経路におけるアダプター分子Apaf1を欠損する細胞が抗がん剤刺激を含む様々な刺激に対してアポトーシス抵抗性を示すことを報告してきた。本研究では、Apaf1欠損細胞が、1)癌化刺激に対する高感受性を有するか、また2)アポトーシス誘導刺激に対して刺激後期においてどのような変化を示すかを解析した。 まず、野生型、およびApaf1を欠損する胎児線維芽細胞を3T3化し、細胞の増殖能などの性質を解析した。野生型、Apaf1欠損細胞とも同程度の増殖能を示し、また接触阻止や足場依存性などの性質も同様に保持していた。このことから、Apaf1欠損、すなわちアポトーシス抵抗性単独では、細胞は癌化せず、遺伝子変異や癌ウイルス遺伝子の発現などの要因が必要と考えられた。現在、化学発癌物質や放射線照射などで、細胞の癌化を試みており、さらに癌化した細胞の性質を解析する予定である。 また、株化していないApaf1欠損細胞に抗がん剤刺激を加えた場合、野生型に比べ抵抗性を示すものの、約48時間後には多くの細胞に細胞死が生じることが確認された。この細胞死は核の濃縮や分断化、およびカスパーゼの活性化を伴わずアポトーシスでは無いと考えられた。電子顕微鏡による解析により、刺激後のApaf1欠損細胞においては核の膨化などネクローシスと類似した変化が見られた。また、刺激初期より、ミトコンドリアの機能低下や微細構造の破壊などの像も検出された。これらのことから、Apaf1を欠損しカスパーゼの活性化が生じない細胞にアポトーシス刺激を加えた場合、ミトコンドリアの機能低下に引き続くネクローシス、またはネクローシスに類似した細胞死が生じることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)