Project/Area Number |
13216096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松田 達志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00286444)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Keywords | T細胞 / RL♂1 / MAPKファミリー / JNK / p38 / Rac1 |
Research Abstract |
がん細胞の増殖の分子機構の理解に比べ、浸潤・転移の分子機構については不明な点が数多く残されているのが現状である。我々は、MAPKファミリーの内、これまで転移との関連で研究されることの少なかったJNK・p38経路に着目し、RL♂1細胞を用いた肝転移モデルにおけるJNK・p38経路の寄与を検討した。具体的には、RL♂1細胞に各種の遺伝子産物の発現ベクターを安定に遺伝子導入した後、BALB/cマウスの尾静脈から接種し、12日後に肝臓に形成される結節の数をカウントすることで肝転移能の評価を行った。Rac1N17を用いてJNK・p38経路の上流で機能するRac1の活性抑制を行ったところ、野生型のRL♂1細胞に比べて肝転移能の有意な低下が観察された。しかし、in vitroにおける解析から、Rac1N17の高発現は細胞周期の進行そのものには影響を及ぼさないことが明らかとなった。Rac1N17の高発現に伴い脾臓へのRL♂1細胞の集積も見られなくなったことから、Rac1N17の高発現により転移・浸潤能が低下した結果免疫系による排除を受けやすくなった可能性が考えられた。次に、より直接的にJNK・p38経路の活性抑制と肝転移能の変化の関連を検討するために、JNK・p38特異的ホスファターゼであるMKP5の安定遺伝子導入株の樹立を試みた。しかし、MKP5によるp38経路の恒常的な活性抑制の結果、ゲノムの不安定化が誘発され、結果として安定発現株の樹立には至らなかった。現在Mifepristoneを用いた誘導発現系を利用して、転移・浸潤の場面でのみJNK・p38経路の活性を抑制しうるようなRL♂1細胞株の樹立を行い、各種の解析を行っている。予備的な解析から、JNK・p38経路が浸潤・転移に重要な役割を担うMMP9の発現に関与していることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)