p38MAPキナーゼによる発生分化・増殖・アポトーシスのスイッチ機構と癌化
Project/Area Number |
13216106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
永田 由香 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 協力研究員 (40281620)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | 造血細胞 / 発生分化 / アポトーシス / 増殖 |
Research Abstract |
p38MAPキナーゼは、ストレスや炎症性サイトカインによって活性化されアポトーシス誘導に関与していると考えられていたが、私はp38が赤血球系細胞の増殖や細胞分化にも関与していることを明らかにしてきた。しかしp38にはファミリーが存在することが明らかになっており、それぞれの機能の違い、発生分化、増殖、アポトーシスといった細胞運命を決定する分子メカニズムは矛盾も含めて全く解明されていない。本研究では巨核球・血小板系を解明のためのモデルシステムとして解析を始めた。まず、p38の巨核球の成熟分化における関与を調べるために、特異的阻害剤の添加による効果を調べたところ血小板放出が阻害され、それはアクチン重合阻害によることであることが判明した。最近、p38α欠質マウスは造血の発生分化に異常を生じ胎生致死となることが報告された。胎生致死の場合その後の機能解析は困難であるが、そのES細胞のin vitro分化誘導系を用いれば可能である。そこでp38α欠質マウスからES細胞を作成し、巨核球へのin vitro分化誘導系における影響を詳細に検討したが、巨核球に正常に分化し血小板放出にも何ら影響がみられなかった。このことは、p38αは巨核球の分化には関与しておらずp38βが特異的に機能する、もしくはp38αの機能をp38βが代償したという2つの可能性が考えられた。一方、巨核球特異的な制御メカニズムを解明するためにprimary巨核球を用いたPCR-Subtraction法を行ったところ、単離した遺伝子の中に興味深いことにp38β遺伝子が含まれていた。以上のことから、巨核球の分化成熟過程にはp38βが特異的に機能しているのかもしれない。いずれにしてもダブルノックアウトして検証する課題が残された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)