Budget Amount *help |
¥33,200,000 (Direct Cost: ¥33,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
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Research Abstract |
Ras依存的非アポトーシス性プログラム細胞死のin vitroモデル実験系を用い、Rasから非アポトーシス性細胞死に至るシグナル伝達の制御機構について検討を行った。これまでの解析結果からRas依存的に制御されるnon-apoptoticプログラム細胞死はミトコンドリア膜透過性亢進の関与しないプログラム細胞死であることが判明している。またRasの特定のエフェクターを選択的に活性化できるRas変異体ならびに各エフェクターに対する特異的阻害剤を用いた検討の結果からはPI3キナーゼを介する細胞内シグナル伝達経路が細胞死のシグナル伝達に重要な役割を果たしていることが示唆された。さらに薬理学的阻害剤を用いたスクリーニング実験の結果、Rhoファミリー蛋白質を特異的に不活化するToxin BがRasによる細胞死誘導を抑制することから、Ras依存的非アポトーシス性プログラム細胞死の制御にRho, Rac, Cdc42などのRhoファミリー蛋白質が関わっている可能性も考えられるようになってきた。そこでRhoファミリーの各メンバーについて優性抑制変異体ならびに恒常活性型変異体を作成し、これらの変異体の発現がRasによる細胞死誘導にどのような影響を与えるか検討した。その結果、まずRacがRas依存的細胞死の重要な制御因子であることが明らかになった。またRhoAやCdc42もRas依存的細胞死の制御に関与していることが判明している。重要なことにこれらRas依存的細胞死の制御に関わる分子はRasの異常活性化を伴うヒトがんにおいてRasによる細胞死を抑制するような変化を起こしていることが明らかになりつつある。今後さらにRas依存的細胞死の分子機構を解明するとともに、それががんにおいてどのように変化しているかを明らかにすることにより、がん予防・治療の新たな分子標的が見出されるものと期待される。
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