新規ヌクレオシド系制ガン剤と放射線照射併用によるアポトーシス細胞死増感作用
Project/Area Number |
13218003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 白血病 / リンパ腫 / 制癌剤 / アポトーシス / カスパーゼ / 細胞死 / ネクローシス / 株化ガン細胞 |
Research Abstract |
ガン細胞特異的にRNA合成阻害起こすことで細胞死を起こすようにデザインされた新規ヌクレオシド系抗がん剤エチニルシチジン(ECyd)が放射線増感作用のメカニズムを調べる目的で本研究は行われた。細胞はp53野生型のヒト胃腺ガン細胞由来MKN-45細胞ならびにp53変異型のチャイニーズハムスター肺線維芽細胞由来V79細胞を用いて検討した。両細胞とも放射線照射単独ではアポトーシスを引き起こさないが、ECydをそれ単独では細胞毒性を示さない濃度のECyd存在下で照射するとアポトーシスを効率よく誘導できることが明らかとなった。このアポトーシス誘導はカスパーゼ阻害剤Z-VAD-FMKならびにキモトリプシン様セリンプロテアーゼ阻害剤TPCKで有意に阻害された。また、細胞周期との関連をフローサイトメトリー法で解析したところ、放射線照射のみではG2期停止が両細胞で起きるのに対して、ECyd存在下ではこのG2期停止機構が破壊され、G2期からアポトーシスが誘引されていることが明らかとなった。以上の結果は細胞のp53のステータスに関わらず、ECydは放射線によるアポトーシスによる細胞死を増感し、そのメカニズムとしてG2期停止の解除によってカスパーゼならびにキモトリプシン様プロテアーゼが関与していることが示された。また、メカニズムとしてどのようにネクローシス様細胞死をアポトーシスによる細胞死に変換するにはG2期のアポトーシス抑制機構の解除が重要性を明らかにすることの重要性を示唆している。ECydがRNA合成阻害を目指してデザインされているので、今後、細胞周期に関する装置で、G2期に新規に合成される必要性のあるCDC2やサイクリンBなどの挙動を調べ、G2期にリンクし、誘導・活性化される未知のアポトーシス抑制因子の同定とそれに対するECyd/放射線による応答を調べることが重要となるであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)