シグナル伝達分子に対する特異的阻害剤の同定と白血病・癌に対する治療への応用
Project/Area Number |
13218033
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野阪 哲哉 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (30218309)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
|
Keywords | シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / 白血病 / 内科 / サイトカイン |
Research Abstract |
我々は、新しい抗白血病剤の開発を目指して恒常的活性型Flt-3に対する特異的阻害剤のスクリーニングを行ないGTP-14564を同定した。GTP14564はは、恒常的活性型Flt-3を発現する白血病細胞株MOLM13および恒常的活性型Flt-3を強制発現させたBa/F3細胞(BaF/ITD-FLT3)のin vitroでの増殖を特異的かつ効率良く抑制した。これらの細胞の増殖は、GTP14564の1mMという比較的低い濃度において完全に抑制されたが、野生型Flt-3発現Ba/F3細胞(BaF/wt-FLT3)をFlt-3リガンドで刺激した場合の増殖を完全に抑制するためには、30-50mMという高い濃度のGTP14564が必要であった。 GTP14564の選択細胞毒性の分子機構を調べるために、まず野生型FLT3(wt-FLT3)と恒常的活性型FLT3(ITD-FLT3)のキナーゼ活性に対するGTP14564の抑制効果を検討した。予想に反してwt-FLT3およびITD-FLT3のキナゼ活性はGTP14564によって同等に抑制された。そこでさらにwt-FLT3およびITD-FLT3下流のシグナル伝達系に対するGTP14564の効果を詳細に解析し、ITD-FLT3の増殖誘導活性が主にSTAT5の活性化によること、STAT5の活性化がBaF/wt-FLT3にくらべBaF/ITD-FLT3においてより効率良くGTP14564で阻害されることを見い出した。またITD-FLT3が異行性にTyk2を活性化することも判明したが、このTyk2活性化はSTAT5の活性化を介してITD-FLT3の細胞トランスフォーム能誘導に関与している可能性もある。
|
Report
(1 results)
Research Products
(23 results)