癌特異的糖転移酵素遺伝子を標的とする癌治療法の開発
Project/Area Number |
13218060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古川 圭子 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50260732)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
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Keywords | 糖鎖合成酵素遺伝子 / 脱癌化 / 酸性糖脂質 / 分子標的 / DNAチップ / マイクロアレイ |
Research Abstract |
複合糖質糖鎖は癌関連抗原として、診断・治療に応用されてきた。近年、糖鎖合成酵素または糖鎖修飾酵素遺伝子の単離が進展し、これらの遺伝子を用いた癌細胞の糖鎖リモデリングを行うことにより、癌細胞の悪性形質が修飾可能なことが明らかになってきた。そこで、(1)糖鎖合成酵素遺伝子を標的とした糖鎖修飾に基づく癌細胞の脱癌化の可能性について検討した。その結果、GM1合成酵素遺伝子を導入したマウスSwisss3T3細胞においては増殖抑制とPDGFリセプターのリン酸化の低下が認められた。更に、ラット褐色細胞腫PC12においてもGM1合成酵素遺伝子を強発現させることによりTrkAとMAPKのリン酸化が低下することが明らかとなった。以上のようなGM1発現による癌細胞の形質変化は、ラフト・カベオラの構造的変化に因るものと考えられた。また、ヒト肺癌細胞株約40種(小細胞性肺癌および非小細胞性肺癌)におけるフコシルGM1とその合成酵素の遺伝子発現を検討した結果、小細胞性肺癌にはフコシルGM1の特異的発現が認められ、フコシルGM1及びその合成酵素遺伝子が癌治療の分子標的となりうるかを検討中である。(2)糖鎖合成酵素及び糖鎖修飾酵素遺伝子のチップにより癌細胞特異的糖鎖合成酵素遺伝子を網羅的に検索し、新たな診断・治療法の開発を検討中である。クローニングされている133種の糖鎖合成酵素及び糖鎖修飾酵素遺伝子のオリゴマーマイクロアレイ(glycochip)を作成し、現在、特異的糖鎖合成酵素遺伝子が発現している癌細胞株を用いて、glycochipの精度と感度を検討中である。癌細胞における糖鎖合成酵素遺伝子発現を網羅的に検討することにより、複数の癌細胞特異的糖鎖合成酵素遺伝子の同時発現が癌の転移や予後に関与する可能性を明らかにすることができると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)