骨髄抑制の少ない新規インターフェロン様蛋白limitinの癌治療への応用
Project/Area Number |
13218077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252667)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
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Keywords | Limitin / インターフェロン / 細胞増殖抑制 / 免疫応答 / 慢性骨髄性白血病 / Tリンパ球 / 糖蛋白 |
Research Abstract |
新規interferon(IFN)様サイトカインLimitinを癌治療の分野において臨床応用することを目的として、recombinat Limitin蛋白の作製と性状解析、Limitinの腫瘍増殖に対する作用や免疫系への作用の解析、およびヒト型Limitin遺伝子の同定を試みた。本研究で申請者らは、CHO細胞にLimitin蛋白を強制発現し、recombinant Limitin蛋白を作製・精製した。Limitin蛋白をWestern blotにより解析し、Limitinの分子量が約20kDであること、Limitinが糖蛋白であること、Limitin蛋白内にS-S結合を有することを確認した。さらに、Limitinがヘパリン結合能を有し、熱や酸に安定であることを見出した。Limitinは多くの血液細胞株に対しapoptosisやG1 arrestを誘導するだけでなく、慢性骨髄性白血病のモデル細胞株(bcr-ab1を遺伝子導入したFDCP-1細胞株)の増殖を著明に抑制した。また、卵白アルブミンを抗原とするT細胞機能解析系を確立し、Limitinがperforin-granzymeを介した細胞障害性Tリンパ球活性をin vitro, in vivoともに増強することを明らかにした。Limitinは腫瘍細胞増殖抑制作用や腫瘍免疫増強作用を持つことより、IFN-αやIFN-βと同様に癌治療効果が期待できることを本研究により確認できた。一方、申請者らは、Limitinが骨髄球前駆細胞や赤芽球前駆細胞の増殖に影響を及ぼさないだけでなく、今回Limitinが造血幹細胞や巨核球前駆細胞の増殖抑制作用がIFN-αと比較して軽微であることを新たに見出した。本研究により、LimitinはIFN-αと比較して骨髄抑制作用が少ないことが確実となった。ヒト型Limitinの同定を試みる際のlibraryのsourceを検討するために、免疫組織やRT-PCRで生体内におけるLimitin産生細胞について解析した。Limitinの産生細胞は、主に成熟Tリンパ球であり、特に胸腺でLimitin遺伝子発現が高いことを見出した。この結果から、ヒト胸腺由来cDNA libraryがヒト型Limitin遺伝子をスクリーニングする際の有力な候補と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)