がん治療に向けた免疫調節機構に関する研究:TNFファミリー分子を中心とした解析
Project/Area Number |
13218091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 満 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
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Keywords | リンホトキシン / リンパ組織 / シグナル伝達機構 / NF-κB / T細胞活性化 |
Research Abstract |
免疫機構を利用したがん治療を有効に行なうためには、宿主が担癌状態あるいは抗癌剤投与により免疫不全状態にあることを想定し、宿主のもつ生体防御能を最大限に発揮させるための工夫を図ることが必要不可欠である。これまでに私達はリンホトキシンノックアウトマウスを用いた研究から、リンホトキシンがリンパ組織(末梢リンパ節)の形成作用、およびリンパ組織(脾臓)の細胞構築化作用により、「免疫の場」を形成するはたらきのあるユニークなサイトカインであることを明らかにしてきた。本年度の研究では、リンホトキシンのシグナル伝達機構を解析し、リンホトキシンレセプターの下流で、NF-κB-inducing kinase(NIK)がリンホトキシンによるNF-κBの活性化に重要な役割をはたすことを明らかにした。また、NIKの下流に位置すると考えられるIκB kinaseα(IKKα)も、リンホトキシンレセプターのシグナル伝達に必須の作用をもつことを新たに見い出した。さらに、NIKがリンホトキシンレセプターのみならず、T細胞抗原受容体を介するシグナル伝達にも関与し、T細胞の活性化に重要な役割をはたすことも明らかにした。すなわち、NIKはリンホトキシンレセプターを介するリンパ組織構築作用と、T細胞抗原受容体を介するT細胞活性化作用の両者にはたらく分子であることが判明した。以上の知見から、NIKの作用を人為的に制御することが出来れば、宿主のもつ生体防御能を最大限に発揮させることができ、免疫機構を利用したがん治療を有効に行えるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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