薬物代謝酵素の遺伝子変異多型と抗がん剤の薬理反応強度との相関解析
Project/Area Number |
13218118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 薬剤反応性 / 薬物動態 / CYP3A5 / Population Pharmacokinetics / TS-1 |
Research Abstract |
本研究では、個々の患者に対する抗がん剤の至適投与量を判断する因子して、CYP3A5遺伝多型の重要性に着目し、多数の患者検体を迅速に判定可能な新しいCYP3A5遺伝子多型診断法をTaqMan PCR法に基づいて開発した。一方、本邦で開発された抗がん剤TS-1による薬理反応強度の個人差を研究するために、癌患者にTS-1を投与後の薬物体内動態を解析し、患者間個人差を引き起こす要因と薬効・毒性を予測しうる因子について、Population Pharmacokinetics解析法に基づいた解明を目指した。併せて、日本人と欧米白人の薬物動態・薬効毒性を比較し、民族差や海外臨床データの外挿可能性についても検討した。 代表的な薬物代謝酵素CYP3A分子種のうち、遺伝子変異多型の影響が示唆されているCYP3A5を対象として、一塩基変異多型の迅速遺伝子診断法を開発した。対立遺伝子特異的増幅法と蛍光プローブ法を組み合わせたTaqMan PCR法に基づいた本法の信頼性は、シークエンス解析によって確認され、日本人95名のアレル頻度分析結果はCYP3A5^*3が0.47、CYP3A5^*6は検出されなかった。 一方、抗がん剤TS-1による薬理反応強度の個人差を研究する一環として、TS-1投与後の薬物体内動態と薬効・毒性規定因子を、Population Pharmacokinetics解析手法に基づき解析した。その結果、活性体5-FUの消失速度は、経時的に推移する血中gimeracil濃度の関数となるため、遺伝的なdihydropyrimidine dehydrogenase(DPD)欠損とは薬物動態・毒性発現が異なりうること、また、腎障害時には血中濃度が高く遷延することによりDPD阻害が持続し、5-FUによる副作用出現頻度が高くなるという機序が本研究から解明できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)