pH制御分子を標的としたアポトーシス増強と固形がん治療
Project/Area Number |
13218134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
和泉 弘人 産業医科大学, 医学部, 講師 (50289576)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
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Keywords | 細胞内pH / 化学療法 / プロトンポンプ / V-ATPase / 乳酸トランスポーター / MCT4 |
Research Abstract |
固形がんの化学療法におけるシスプラチンの貢献度は非常に大きいが、シスプラチン耐性細胞の出現が治療上の大きな問題となっている。我々はプロトンポンプを構成するサブユニットがシスプラチン耐性細胞で亢進していること、シスプラチン耐性細胞内のpHがアルカリ化していることを観察した。このことからがん細胞内pHがシスプラチンの感受性を規定する因子の1つであると考えられた。そこで、細胞内pH制御分子と考えられているプロトンポンプ(V-ATPase)および乳酸トランスポーターであるMCT4(monocarboxylate transporter 4)に着目して、がん細胞での発現や発現調節機序の解析を行った。その結果、プロトンポンプを構成するサブユニットの遺伝子(ATP6A1、ATP6C、ATP6D、ATP6EおよびATP6F)の発現がシスプラチン耐性細胞やシスプラチン、トポイソメラーゼ阻害剤であるCPT11、VP16、TAS103の処理で亢進していた。シスプラチン耐性細胞やシスプラチン処理細胞ではmRNAの安定化が関与し、CPT11、VP16、TAS103の処理では転写レベルでの活性化が関与していることが示唆された。特にTAS103の処理によるATP6Cプロモーターの活性化にはSp1やOct1の関与が示唆された。また、組織特異的な発現を示すMCT4は種々のがん細胞で発現が観察され、シスプラチン耐性細胞では感受性細胞に比べて高発現していた。特に低酸素処理によるMCT4プロモーターの活性化にはSp1とH工F1の関与が示唆された。細胞内外のpH変化はがんの増殖のみならず浸潤や転移にも密接に関与することが示唆されているため、これらの現象に対するプロトンポンプやMCT4の役割を明らかにすることも重要な課題であると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)