アレル特異的遺伝子発現の定量的比較による遺伝性腫瘍の新規診断法の確立に関する研究
Project/Area Number |
13218145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
村上 善則 国立がんセンター研究所, 腫瘍ゲノム解析・情報研究部, 室長 (30182108)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
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Keywords | 遺伝子診断 / 遺伝子発現 / 網膜芽細胞腫 / 遺伝性非ポリポーシス大腸がん / がん抑制遺伝子 / 第11染色体 / 肺非小細胞がん |
Research Abstract |
1.遺伝子の発現の欠如、低下によるがん抑制遺伝子、DNA修復酵素遺伝子の不活化を検出し、診断へ応用する目的で、遺伝子コード領域の多型(cSNP)をSSCP法で分離し定量することにより、各アレル当りの遺伝子発現量の高度定量的検出法(RNA Difference Plot : RDP法)を確率した。そこで、網膜芽細胞腫、並びに遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC)の保因者を対象として、RDP法により、従来、検出不可能であったRB、hMSH2 mRNAの微小ながら有意な減少を定量的に検出し、その診断に役立てた。また変異アレルの相対的発現量が、野生型アレルとの組みあわせ、特に野生型アレルのハブロタイプによって規定される可能性を示した。 2.がん細胞に様々な方法で正常DNA断片を導入・発現し、腫瘍原性の抑制を指標とした機能的相補法により、新規がん抑制遺伝子TSLC1を同定した。TSLC1は第11染色体長腕q23領域に存在し、肺非小細胞がん(NSCLC)由来の培養細胞の半数以上で発現の欠如、または著明低下を示した。そしてNSCLCの約40%で、一方のアレルの欠失と残存アレルのプロモーターメチル化による2ヒットによる不活化を示した。TSLC1は、肺以外でも、血球を除く検索したすべての臓器で発現することから、他のがんにおける異常の有無を検討した。そして、プロモーター領域のメチル化は、原発性肝細胞がん、膵がん、前立腺がん、小細胞肺がん(SCLC)でも、30-40%程度に認められることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)