コホート内症例対照研究による胆道がん、膵がんの血清を利用した発生要因の解明
Project/Area Number |
13220019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (30010094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳生 聖子 愛知医科大学, 医学部, 助手 (50268017)
黒沢 美智子 順天堂大学, 医学部, 助手 (70245702)
松葉 剛 順天堂大学, 医学部, 助手 (00338401)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | nested case control study / 癌 / 胆道がん / 膵がん / 疫学 |
Research Abstract |
胆道がんは加齢と共に増加する致命率の高い疾患で、近年増加傾向にある。膵がんも近年増加傾向にあり、発生原因は明らかでない。本研究は文部省大規模コホート(JACC Study)データ、保存血清を用いて、胆道がん死亡・膵がん死亡との関連を検討することを目的に行った。胆道がんは、胆道がん既往歴有と観察開始から2年以内の胆道がん死亡を除く男47,689人、女65,650人を解析対象とした。胆嚢がん死亡は男39人、女54人、その他の胆道がん死亡は男64人、女56人であった。膵がんは、膵がん既往歴有り、喫煙習慣情報不備の者を除き、男44,914人、女55,633人を分析対象とした。膵がん死亡は225人であった。胆管・胆のうがんの食生活と関連するリスク要因として、多量飲酒、脂肪・牛乳の過剰摂取、野菜・果物不足が報告されているが、発生要因は明確でない。本研究は胆嚢がん・その他の胆道がん別に死亡リスクの検討を行った。胆嚢がん死亡は輸血歴、便秘傾向でリスクを上昇させた。その他の胆道がん死亡では喫煙習慣、喫煙本数、胆石・胆嚢炎既往歴、輸血歴がリスクを上昇させた。血清測定値ではSOD、sFas、HDL-C、飽和脂肪酸量、不飽和脂肪酸量、n-3/n-6が胆道がん死亡と関連すると推測された。食習慣についてはフライの中等度摂取が胆道がん死亡リスクを上昇させた。 膵がんの危険因子として、喫煙は唯一確立されている。飲酒についての疫学的根拠は不十分で、コーヒーについては否定的な報告が多い。糖尿病は多くの報告で膵がんと関連ありとされているが、真の危険因子かどうか意見が分かれている。本研究では膵臓がん死亡と生活習慣、血清IGF、TGF-β、フルクトサミン、インスリンとの関連を検討した。喫煙は膵がんリスクを上昇させたが、飲酒との関連は認められず、コーヒーは高頻度飲用者でリスクの上昇を認めた。糖尿病歴、胆石・胆嚢炎歴は膵がん死亡リスクを上昇させた。血清IGF-Iレベルが高いほど膵がん死亡リスクが上昇する傾向が示された。血清糖尿病関連指標は膵がんと関連がなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)