Research Abstract |
1.プリミティブの設計 組立作業におけるプリミティブを獲得するために,接触状態遷移を手がかりとしサブスキルと呼ぶ動作要素群の連続形を獲得するシステムの開発を行った.この時,1.接触により拘束されない動作の獲得できないこと,2.多面体物体のみしか扱えないことの2点の問題があり,1.については目標となる接触状態遷移を達成する最適な軌道を求める手法を提案し,この最適軌道と人間の実演行動との差をフィードバックすることで動作の獲得を行う手法を開発している.2.については,スクリュー理論を拡張することにより2次曲面を扱える理論を開発しており,不完全ではあるものの種々の検証を通して2次曲面物体を扱う目的には十分であるという感触を得ている. 2.スキル獲得過程 把持物体と環境物体との接触を必ずしも伴わない連続的な相互作用で記述される手作業を対象とし,再利用可能な手作業のモデルを実演教示の観察に基づき自動生成する手法を開発した.この時,1回の観察においては作業に本質的な相互作用を確定することが困難であるため,本質的には同一の作業を示す教示動作を異なる表現で複数回提示し,多次元DP matchingにより統合することによって作業の達成に必須の相互作用を推定する手法を提案した.また,3次元空間上での連続的な位置の同定手法を開発し,これを用いて必須相互作用区間における把持物体の相対軌跡を推定し,相対軌跡群を統合することで再現動作の参照軌道とする.この必須相互作用は,作業に本質的な動作を表す動作プリミティブであるといえ,これが自動的に獲得されることが特色である.また,開発した人間型ロボットを用いて手法の検証を行い,作業の認識及び再現が可能であることを示した.
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