Research Abstract |
近年,コンポーネントに基づいたソフトウェア開発が多くなってきている.ここで,コンポーネントを「インタフェースを通して何らかの機能を提供するような,独立したソフトウェアの部品」と定義する.この開発形態の狙いは,品質の高いコンポーネントを簡単に組み合わせる(統合する)ことにより,品質の高いソフトウェアを効率よく開発することである.しかし,課題が山積している.その中に,コンポーネントの異種性の問題がある.コンポーネントには,Enterprise JavaBeansやCOMなどの種々の仕様が存在する.異なる仕様のコンポーネント同士を統合しようとする場合,パラメータや返戻値などの形式だけではなく,呼び出し方自身が大きく異なり,簡単に行えない. 本研究では,分散された異種コンポーネントの統合を支援するツールを構築した.コンポーネントの種類としては,WWW, Enterprise JavaBeans, SOAPの三つの技術と関連するコンポーネントを対象とした.それぞれの種類のコンポーネントに対して,コンポーネントに関する情報を表すためのXMLのDTDを定義した.統合対象のコンポーネントはこのDTDに基づいてXMLでコンポーネント情報が記述されているとし,そのコンポーネント情報および作成するアプリケーションに関する情報に基づいてツールはアダプタを生成する.アダプタはプロクシとトランスレータの二つから構成される.プロクシは,各コンポーネントに対して一つ生成され,プラットフォームに応じた実際の呼び出しを行う.トランスレータは,プロクシを通して,アプリケーションとコンポーネントの関連付けを行う.また,必要な場合,トランスレータは簡単な型変換を行う.
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