EBウイルスの上皮細胞トロピズムを決定する新規レセプター遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
13226001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉山 裕規 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10253147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 祐幸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (40252663)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | EBウイルス / 上皮細胞 / トロピズム / レセプター / クローニング |
Research Abstract |
20種類の細胞で、EBV感受性と高感度RT-PCRによるCD21発現を調査した。その結果、ヒト胃上皮由来のAGS細胞がもっとも高いEBV感染効率を示し、CD21を発現していなかった。そこで、AGS細胞のmRNAからcDNAを作製し、マウスレトロウイルス由来のpLIBベクターにクローニングして、発現cDNAライブラリーを作製した。 cDNAクローンを導入発現させる標的細胞として、元来はEBV感染に抵抗性であるが、CD21を発現させることで、EBV感染に高度に感受性となる細胞を探索した。CD21分子を各種動物由来の細胞に導入する実験を行ない、イヌのMDCK細胞がCD21導入によりEBV感受性になり、感染効率も優れていたため、MDCK細胞にcDNAクローンを導入発現させることでExpression cloningを開始した。 作製した10^7クローンサイズのcDNAライブラリーを10^4クローンのプールに分けてレトロウイルスを作製し、pLIB1〜100とナンバリングした。それぞれのプールのレトロウイルスをMDCK細胞に感染させ、さらにネオマイシン抵抗性遺伝子とGFP遺伝子を組み込んだ組換えEBVを感染させた後、G418による選択を行った。また、CD21を組み込んだpLIBも作製し、陽性コントロールとした。 ネオマイシン耐性のMDCK細胞のコロニー数は、CD21導入細胞では200〜800個で、cDNAライブラリーを導入した場合は0〜8個のMDCK細胞コロニーが出現した。また、遺伝子を導入していない陰性コントロールからも1〜3個のMDCK細胞コロニーが出現、バックグラウンドが認められた。そこで、この段階で耐性MDCK細胞からcDNAを回収することは行わずに、ネオマイシン耐性MDCK細胞のコロニーをたくさん作る4番目の遺伝子プールをさらに解析することにした。 4番目の10^4サイズのcDNAプールで形質転換した大腸菌ストックを90分だけ培養し、希釈して、アンピシリンを含むLB培地プレートで1,000個の大腸菌コロニーを形成させ、1,000クローンサイズのcDNAライブラリーのサブプールを10個作製した。このサブプール由来のレトロウイルスをpLIB4-1〜10として、同様な実験を行った。もし、このサブプールのひとつに、EBウイルス高感受性を与えるものがあれば、目的の遺伝子をクローニングするための遺伝子ライブラリーの数を10,000から1,000に減少させることができると考えた。実験の結果、pLIB4-1では耐性MDCK細胞のコロニー数が増加しており、しかもコロニーが近接して観察されたことより、pLIB4-1のプールに目的遺伝子が含まれると考えられた。今後、pLIB4-1を用いて分離した耐性MDCK細胞クローンについて解析を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)