難治性細菌感染症における細菌の増殖、潜伏及び感染持続機構の解析と新規治療法の確立
Project/Area Number |
13226049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 渉 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30273519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 幸作 京都大学, 農学研究科, 教授 (90142299)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | 細菌感染症 / バイオフィルム / 緑膿菌 / アルギン酸 / アルギン酸リアーゼ / 抗原性 / ポリエチレングリコール / アナフィラキシー |
Research Abstract |
緑膿菌は、多糖アルギン酸をバイオフィルムとして産生し、感染症を誘発する。バイオフィルム細菌感染症は、その強固な菌蓋による抗生物質不透過性のために難治性を示す。従って、難治性バイオフィルム細菌感染症の治療において、バイオフィルムの除去が有効である。本研究では、細菌由来アルギン酸分解酵素(アルギン酸リアーゼ:A1-III)をバイオフィルム除去剤として開発することにより、バイオフィルム細菌感染症の新規治療法の確立を検討している。今年度は、バイオフィルムの破壊に適した無抗原性酵素の調製とその酵素学的・免疫学的性質を解析した。N-ヒドロキシスクシニル化ポリエチレングリコールエステル(PEG)(分子量:2,000、5,000及び12,000)で、A1-IIIのリシン残基を修飾し、その諸特性を未修飾酵素と比較した。50mMリン酸カリウム緩衝液における未修飾体の活性至適pHは7.5であったが、PEG分子量に拘わらず修飾体では至適pHが酸性側にシフトした。未修飾体の活性至適温度は65℃であったが、修飾体では至適温度は低温側にシフトした。PEG分子量に拘わらず、修飾率が70%を越えると急激にKm値が大きくなったが、修飾率70%以下ではKm値は、未修飾体のそれとほぼ一致した。また、Vmaxは、修飾率の増大に従って低下した。未修飾体は60℃の加熱処理により失活したが、修飾体は70℃の熱処理後も90%以上の活性を保持していた。免疫反応性は、PEGの分子量が2,000と5,000の場合には、PEG修飾率の増大に伴って低下した。一方、PEGの分子量が12,000の場合には、Km、Vmaxとも未修飾体と変わらず、抗原性が顕著に低下した。しかし、全ての修飾体は、モルモットに対して極軽度なアナフィラキシー反応を示した。以上の結果より、A1-IIIの無抗原化には、エピトープ部位の除去が有効であることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)