TLRを介して誘導されるIL-18依存性アトピー性皮膚炎の病態形成機構
Project/Area Number |
13226125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | パターン認識受容体 / 炎症性サイトカイン / 皮膚ケラチノサイト / アトピー性炎症 / KCASP1Tg / KIL-18Tg / 肥満細胞 / 好塩基球 |
Research Abstract |
病原体由来の菌体成分は、パターン認識受容体を介して、樹状細胞を刺激して、IL-12,IL-18等の炎症性サイトカインを誘導する。我々は既にIL-18がIgE産生を誘導することを明らかにした。今回、我々は菌体成分が皮膚ケラチノサイトを刺激して、IL-18の産生を誘導することで、アトピー性炎症を誘導するのではないかと着想した。そこで、本研究では皮膚ケラチノサイトからのIL-18の過剰な産生が原因でアトピー性皮膚炎が誘導されることを、caspase-1とIL-18トフンスジェニックマウス(Tg)を用いて証明したので、その成果を報告する。 皮膚ケラチノサイト(KC)に特異的にcaspase-1あるいはIL-18を過剰発現させたTg(それぞれKCASP1Tg、KIL-18Tgと呼ぶ)は、SPF飼育下でも高IgE血症を呈し、自然にアトピー性皮膚炎(AD)を発症した。はじめに、KCASP1Tgで認めるADがIL-18の過剰分泌によることを明らかにするため、IL-18KOマウスと交配してIL-18を欠損したKCASP1Tgを樹立した。このマウスでは、血清IgE値が低下しており、またADの発症も完全に阻止された。KIL-18Tgも高IgE血症を伴う著明なADを呈したが、ADの発症時期はKCASP1Tgに比して遅かった。IL-1を欠損したKCASP1TgマウスもKIL-18Tgと同様に、ADの発症時期は遅れた。更にKCASP1Tgマウスからstat6を欠損させたマウスでは、IgE産生は完全に抑制されたが、AD皮膚症状は変化しなかった。以上の結果から、KCからの過剰なIL-18の産生は、stat6を介することなく、IgE非依存的に、直接的に肥満細胞や好塩基球を刺激して、ヒスタミン産生を誘導することでアトピー性皮膚炎を発症させること、そしてIL-1はADの発症を促進することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)