感染防御免疫を誘導する糖鎖変異エイズウイルスのウイルス学的性状の解析
Project/Area Number |
13226128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
森 一泰 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (20270655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 智恵 国立感染症研究所, 筑波医学実験用霊長類センター, 協力研究員
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 糖鎖 / 感染防御免疫 / エイズ |
Research Abstract |
糖鎖欠失SIV(Δ5G)感染アカゲザルのΔ5G初感染におけるウイルス制御、およびΔ5G感染ザルへのSIVmac239チャレンジ感染におけるウイルス制御に関与する細胞性免疫の解析を行った。 Δ5G感染ザル3頭ならびに対照群としてSIVmac239感染ザル2頭の末梢単核球を用い、ELISPOTassayにより各ウイルスタンパク(Δ5GEnv、SIVmac239Env、Gag-Pol、Nef)に特異的なCD8+、CD4+T細胞をIFN-γ産生細胞として検出した。 その結果、Δ5G感染後のウイルス特異的CD8+、CD4+T細胞のレベルは個体によって異なっていた。Δ5Gに対する中和抗体が検出されたサルでは特異的CD8+、CD4+T細胞はほとんど検出されなかった。別の1頭は中程度のウイルス特異的CD8+、CD4+T細胞が検出され、特にEnv、Nefに対する応答が強く見られた。もう1頭はひじょうに高いレベルのウイルス特異的CD8+、CD4+T細胞が検出され、特にGag-Polに強い反応が見られた。またこのサルでのみCD4+T細胞がSIVmac239EnvよりΔ5GEnvに対して強く反応し、糖鎖欠失部位が新たなエピトープとなったことが示唆された。 また、Δ5G感染ザルへのSIVmac239のチャレンジ感染後では、すべてのΔ5G感染ザルにおいてあらゆるタンパクに対するCD8+、CD4+T細胞がチャレンジ後1週目までにチャレンジ前の5〜10倍まで増加した。特にウイルス特異的CD8+T細胞の増加は顕著であった。 Δ5Gを感染させたすべてのサルが同じように感染を制御するにも関わらず、免疫誘導は個体ごとに異なり、Δ5Gの感染制御に共通した特異的な免疫誘導は示されなかった。しかし、チャレンジウイルス増殖の抑制はウイルス特異的CTL誘導が重要であることが裏付けられた。
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Report
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Research Products
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